ヒカルのパチンコギャンブル発言が炎上した理由はなぜ?何があったのか調査

2025年11月現在、人気YouTuberのヒカルさんのある発言が、大きな波紋を広げています。

パチンコ・パチスロ業界との大型コラボ企画を発表した直後、ヒカルさんがX(旧Twitter)で「ギャンブル」という言葉を使ったことに対し、業界関係者やファンの間で物議を醸しました。

その後、ヒカルさんは自身のYouTubeチャンネルで「お詫びと訂正」の動画を公開する事態となっています。

なぜ、ただ「ギャンブル」と呼んだことが、これほど大きな問題になるのでしょうか?

多くの人が「パチンコは実質ギャンブルでしょう?」と感じているかもしれません。

今回の騒動は、私たちが普段あまり意識することのない、パチンコ業界が抱える法的な建前と、換金システムの実態という、非常にデリケートな問題に光を当てることになりました。

この記事では、ヒカルさんに一体何があったのか、炎上の詳しい経緯から、パチンコ業界の法的な立ち位置、そして「三店方式」と呼ばれる換金のカラクリまで、その背景を徹底的に調査しまとめます。

目次 Outline

ヒカルさんの「ギャンブル」発言が炎上?パチンコ・パチスロ企画で一体何を言ったのか

まず、今回の騒動がどのようにして起こったのか、時系列に沿って経緯を整理します。

2025年10月下旬に発表された大型コラボ企画とは

事の発端は、2025年10月29日に発表された一大プロジェクトでした。

ヒカルさんは、パチンコホール取材会社「スロミュー」とタッグを組み、全国規模のパチスロ業界コラボプロジェクト「ヒカルの一致団結」を始動させると発表しました。

全国のホールを対象にした大規模な企画であり、ヒカルさんはそのイメージキャラクターに就任。2026年1月からの本格始動が予定されていました。

業界を盛り上げる起爆剤として、大きな注目を集めた企画でした。

X(旧Twitter)での「ギャンブル」表記

しかし、この発表直後、ヒカルさんが自身のX(旧Twitter)で、この企画に関連してパチンコ・パチスロを「ギャンブル」と明記した投稿を行いました。

この「ギャンブル」という一言が、業界の非常にデリケートな部分に触れてしまったのです。

業界関係者や事情をよく知るファンからは、即座にその表現を問題視する声が上がりました。

11月2日の謝罪動画「物議を醸している件について」

事態を受け、ヒカルさんは2025年11月2日、自身のパチスロ関連チャンネル(後に「ヒカルの一致団結チャンネル」へ変更)にて、「物議を醸している件についてのお詫びと訂正」と題する動画を公開しました。

動画には、コラボ相手である「スロミュー」の担当者、宮下さんも同席。

ヒカルさんは、「ギャンブル」と表記したことについて、「申し訳なかったです。すみませんでした」と深く頭を下げて謝罪しました。

企画の責任者である宮下さんからも、直接この件でお叱りがあったことを明かしています。

なぜヒカルさんは炎上したのか?「ギャンブル」発言が業界のタブーに触れた理由

今回の謝罪動画では、「ギャンブル」表記以外にも、複数の問題点が指摘されていました。炎上の背景には、大きく分けて3つの理由が存在します。

理由1:「ギャンブル」という言葉の法的問題

最も大きな理由が、この「ギャンブル」という言葉の扱いです。

日本の法律上、パチンコ店は「賭博場」ではなく、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」に基づき運営される「遊技場」という位置づけになっています。

もし「賭博」であると公に認めてしまうと、刑法で禁止されている賭博罪に該当する可能性が出てきてしまいます。

そのため、業界は「パチンコは遊技(遊び)であり、賭博(ギャンブル)ではない」という法的な建前を厳格に守っています。

ヒカルさんの発言は、この業界の根幹を支える建前を、コラボ当事者でありながら揺ルがしかねないものとして、厳しく指摘されたのです。

理由2:チャンネル名「ヒカパチステーション」の類似性

謝罪動画では、もう一つの問題点として、ヒカルさんが開設したパチスロ関連チャンネルの名称が挙げられました。

当初のチャンネル名「ヒカパチステーション」が、既に業界で絶大な人気を誇る大手メディア「スロパチステーション」と酷似している、という指摘が相次ぎました。

これは模倣ではないか、業界の先輩に対して失礼ではないか、という批判が集まったのです。

この点についても謝罪が行われ、チャンネル名は企画名である「ヒカルの一致団結チャンネル」へと変更されることが発表されました。

理由3:SNSで拡散した「公約」疑惑とは

そして、謝罪動画の中で最も時間を使って否定されたのが、SNS上で広まった「公約」に関する疑惑です。

「公約」とは、業界の隠語のようなもので、取材企画などの際にホール側が「特定の機種に高設定(勝ちやすい設定)を入れる」といった裏の約束を指すと言われています。

ヒカルさんのような絶大な影響力を持つ人物が関わるなら、「強力な公約があるに違いない」という憶測がSNSで一気に広まりました。

しかし、こうした「高設定の投入」を示唆する行為は、著しく射幸心をそそるものとして、警察庁の通達や業界のガイドラインによって厳しく禁止されています。

宮下さんは動画内で「一切ありません」とこの疑惑を断固否定し、企画が法律とガイドラインを完全に遵守していることを強く強調しました。

なぜパチンコ・パチスロは「ギャンブルではない」とされるのか?法律上の建前を解説

多くの方が疑問に思うのは、「なぜパチンコはギャンブルではないのか?」という点でしょう。この複雑な立ち位置について解説します。

法律(風営法)上の位置づけは「遊技」

前述の通り、パチンコホールは「風営法」という法律で管理されています。

風営法第二条第一項第四号において、パチンコ店は「設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」と定義されています。

ポイントは、あくまで「遊技(遊び)」であるという点です。法律上、お金を賭ける「賭博」とは明確に区別されています。

刑法の「賭博罪」に当たらないとされる理由

日本の刑法第185条では、賭博行為は禁止されています。

では、なぜパチンコは賭博罪に問われないのでしょうか。

それは、パチンコ店が「客に直接現金を支払っていない」からです。店内でできるのは、玉やメダルを「景品」と交換することだけです。

この「景品交換」というワンクッションを置くことで、「賭博」ではなく「遊技」の範囲内である、というのが法的な建前となっています。

依存症対策基本法では「ギャンブル等」と定義

一方で、非常に興味深い点があります。

2018年に施行された「ギャンブル等依存症対策基本法」という法律では、依存症対策の対象として、公営競技(競馬や競輪など)と並んで「ぱちんこ屋に係る遊技」が「ギャンブル等」と明確に定義されています。

つまり、風営法上は「遊技」でありながら、依存症対策の文脈では「ギャンブル等」として扱われているという、二重の構造が存在するのです。

パチンコ・パチスロが違法性を回避する「三店方式」とは?法の抜け道とされる換金方法の実態

「景品と交換するだけ」と言われても、実際には多くの人が現金化していることを知っています。この「法の抜け道」とも言われる仕組みが、「三店方式」です。

「三店方式」と呼ばれる換金のカラクリ

三店方式は、その名の通り3つのお店(業者)が関わることで、客が現金を手にするシステムです。

  1. パチンコ店(1店目):

    客は玉やメダルを「特殊景品」(金やプラスチックで包装されたものなど)と交換します。

  2. 景品交換所(2店目):

    客は店の外(多くはすぐ近く)にある「景品交換所」にその特殊景品を持って行き、買い取ってもらうことで「現金」を受け取ります。

  3. 景品問屋(3店目):

    景品交換所は、買い取った特殊景品を「景品問屋」に売却します。そして景品問屋は、その景品を再びパチンコ店に卸します。

景品交換所と景品問屋の役割

この仕組みの最大のポイントは、パチンコ店と景品交換所が、法律上は「全く別の業者」であるということです。

パチンコ店が直接景品を買い取ると「自店買い取り」となり、風営法違反(賭博行為)となります。

しかし、「景品交換所」という第三者を介在させることで、店は直接客に現金を支払っていない、という論理を成立させています。

なぜ警察は取り締まらない?「黙認」状態の実態

これほど大々的に行われているのに、なぜ警察は取り締まらないのでしょうか。

この三店方式は、法律で明確に「合法」と認められているわけではありません。

しかし、長年の実務的な慣行として定着しており、警察もこの仕組みを「違法な賭博」として一斉に摘発するには至っていません。

過去には、暴力団などの反社会的勢力が介入することを防ぐ目的で、この仕組みが整備されてきたという歴史的背景もあるとされています。

結果として、明確な違法とも合法とも言えない、グレーゾーンのまま「黙認」されているのが実態と言えるでしょう。

ヒカルさんのパチンコ・パチスロ「ギャンブル」発言は正論か?一般認識と業界の建前のズレ

こうした背景を踏まえると、ヒカルさんの発言はどのように評価できるでしょうか。

一般的な認識と法律上の建前のギャップ

多くの一般の方々にとって、パチンコ・パチスロは「ギャンブル」であるという認識が普通かもしれません。

実際にお金を使って、結果次第でお金が増えたり減ったりするわけですから、実態としてはギャンブルそのものと捉えられています。

ヒカルさんの発言は、この一般認識を素直に口にしたものと言えます。その意味では「正論」と感じる人も多いでしょう。

しかし、そこには法律上の「遊技」という大きな建前が存在し、その建前によって成り立っている業界があるのです。

企業案件としての立場と発言の重み

今回の問題は、ヒカルさんが単なる一個人の感想として述べたのではなく、業界と大型コラボを行う「当事者」として発信した点にあります。

ネット上のコメントでも「企業案件なのに準備不足」といった厳しい指摘が見られました。

業界を盛り上げる立場の人間が、その業界が最も守りたい「建前」を軽視したと受け取られたことが、謝罪にまで発展した大きな要因です。

もしパチンコ・パチスロを「ギャンブル」と認めたら?業界が直面する不都合な現実とは

もし、業界の建前が崩れ、パチンコ・パチスロが正式に「賭博(ギャンブル)」と認定された場合、どのような不都合が生じるのでしょうか。

営業モデルが崩壊する法的リスク

最大の不都合は、現在の営業モデルが根底から崩壊することです。

もし「賭博」となれば、風営法ではなく刑法の管轄となり、現在の営業形態は違法となります。

競馬や競輪のような「公営競技」として特別な法律のもとで運営されない限り、全国のパチンコ店は存続できなくなる可能性があります。

警察OBの天下りや政治との関係性

パチンコ業界は長年にわたり、警察や政治と複雑な関係を築いてきたと指摘されています。

例えば、遊技機の検査を行う団体の幹部に警察OBが天下りしているケースや、業界団体のアドバイザーとして政治家が名前を連ねている実態があると言われています。

こうした長年の構造が、「遊技」という建前を維持させる力として働いている側面も否定できないかもしれません。

巨大な経済規模と雇用への影響

パチンコ業界は、今なお巨大な経済規模を持つ産業です。

関連企業を含めれば、非常に多くの人々がこの業界で働いています。

もし業界全体が違法とされれば、大規模な失業問題に発展する可能性もあり、社会的な混乱は避けられません。

こうした現実的な問題も、業界の「建前」が維持され続ける一因となっています。

ヒカルさんの「ギャンブル」発言にネット上の反応は?業界への疑問や本人への批判まとめ

今回の騒動に対するネット上の反応は、ヒカルさん個人への批判だけでなく、業界そのものへの疑問も噴出する形となりました。

「ギャンブルで何が悪い」業界への疑問

最も多く見られたのが、「何を今さら」「実質ギャンブルでしょう」という、業界の建前に対する冷ややかな意見です。

「ギャンブルをギャンブルと言って謝罪しなければいけないのはおかしい」

「三店方式というグレーな仕組みを続けている業界の方が問題だ」

といった、ヒカルさんの発言よりも業界のあり方を疑問視する声が多数寄せられました。

「脇が甘い」ヒカルさんへの冷ややかな声

一方で、ヒカルさんに対する批判的な意見も少なくありませんでした。

「大金が動く企業案件なのに、業界の常識も勉強していないのか」

「影響力を考えれば、軽率な発言だった」

「謝罪するまでの流れがワンセットのパフォーマンスに見える」

など、トップYouTuberとしての認識の甘さを指摘する声も目立ちました。

「業界の闇に触れた」憶測も

また、一部では「ヒカルが業界のタブーに触れたために圧力をかけられたのではないか」といった憶測も飛び交いました。

「ギャンブルと言っただけで謝罪するのは異常だ」

「何か不都合な事実に触れてしまったのではないか」

といった、業界の裏側を勘ぐるような反応も見られました。

まとめ

今回の一件は、人気YouTuberヒカルさんの「ギャンブル」という一言が、パチンコ・パチスロ業界が長年抱えてきた「遊技」という法的な建前と、「三店方式」というグレーな実態の矛盾を、改めて多くの人々に認識させるきっかけとなりました。

ヒカルさんにとっては、業界と仕事をする上でのコンプライアンスの重要性を痛感する出来事となったでしょう。

一方で、私たち一般ユーザーにとっても、身近にあるパチンコ・パチスロという存在が、いかに複雑な法的バランスと社会的な背景の上に成り立っているのかを考える機会になったのではないでしょうか。

「ヒカルの一致団結」プロジェクトは、スタート前から大きな注目を集めることとなりました。今後、ヒカルさんが業界の「建前」とどう向き合い、どのような形で業界を盛り上げていくのか、その動向から目が離せません。

この記事を書いた人 Wrote this article

TOP