【いわき信組】江尻次郎(元会長)とは何者?反社はどこ?学歴や経歴と今後どうなるか徹底まとめ

福島県いわき市を拠点とする金融機関「いわき信用組合」で、信頼を根底から揺るがす深刻な不祥事が明らかになり、大きな衝撃が走っています。

2025年10月31日、金融庁は同組合に対し、反社会的勢力(いわゆる反社)への資金提供などを理由に、一部業務の停止命令を含む2度目の業務改善命令を出しました。

調査によって明らかになった不正融資の総額は279億円。そのうち約10億円が反社会的勢力に流れていたというのです。

長年にわたりトップに君臨した江尻次郎(えじり じろう)元会長とは一体何者なのでしょうか?

なぜこのような前代未聞の事態が起きてしまったのか、その理由は何だったのか。そして、公的資金も注入されているいわき信用組合は、今後どうなるのでしょうか? 潰れる可能性はあるのでしょうか。

この記事では、明らかになった調査報告書の内容や関係者の証言を基に、一連の事件の経緯、中心人物とされる江尻次郎氏の経歴、そしていわき信用組合の今後について、徹底的にまとめていきます。

目次 Outline

いわき信用組合の不祥事が深刻すぎる?反社会的勢力への不正融資で何があったのか

今回の不祥事の核心は、信用組合が不正に捻出した資金を、反社会的勢力に長期間わたって提供し続けていた点にあります。一体、何があったのでしょうか。

発端は1990年代の「街宣活動」対策

特別調査委員会の調査報告書によると、いわき信用組合と反社会的勢力との関係は1990年代にまで遡ります。

1994年、当時の鈴木勇夫(すずき いさお)理事長の時代に、組合と暴力団関係者との癒着を糾弾する街宣活動が始まりました。この活動をやめさせるための「解決料」として、反社とみられる人物から3億円超の現金を要求され、当時の経営陣はこれに応じてしまったのです。

鈴木氏の在任中(2001年まで)、同様の名目で数回にわたり、合計数億円が支払われたとみられています。この時点から、金融機関として絶対にあってはならない関係が始まっていました。

2004年、江尻次郎氏の理事長就任で関係が再燃

2001年に鈴木氏が退任し、四家栄安(しけ えいあん)氏が理事長に就任すると、反社への資金提供は一旦途絶えたとみられています。

しかし、2004年に四家氏が急逝。その後任として江尻次郎氏が理事長に就任すると、事態は暗転します。

再び江尻氏らを標的とする街宣活動や不当要求が再開されたのです。江尻氏は、この脅しに屈し、反社との関係を断ち切ることができませんでした。

不正融資の手口とは?「無断借名融資」や「水増し融資」

江尻氏が反社へ資金を提供するために用いたのが、悪質な不正融資の手口でした。調査委員会が認定した主な手口は以下の通りです。

  • 無断借名融資: 預金者や顧客に無断で口座を偽造し、そこへ架空の融資を実行して資金を捻出する手口。
  • 水増し融資: 取引先企業などに、必要額よりも多く(水増しして)融資し、その水増し分を現金でキックバックさせ、反社への支払いに充てる手口。
  • 迂回融資: ペーパーカンパニーなどを経由して、実質的に反社や特定の融資先に資金を流す手口。

江尻氏は、理事長に就任した2004年から2016年までの約13年間にわたり、これらの不正な手口で捻出した資金、総額約10億円を反社会的勢力に支払い続けていたと認定されました。

衝撃の調査報告書の内容とは?不正融資総額279億円

2025年6月に設置された特別調査委員会は、同年10月31日に調査報告書を公表。そこには、目を疑うような実態が記されていました。

外部流出25.5億円、うち反社へ9.49億円が流れたと認定

調査報告書によると、2004年3月から2025年3月末までの不正融資の総額は、なんと279億円に上ると判断されました。

このうち、外部に流出した資金は約25億5000万円。そして、そのうちの9億4900万円が反社会的勢力に流れたと結論づけられています。

当初、使途不明金とされていた「8.5億円〜10億円」の行方が、反社への支払いだったことが特定された形です。流出した資金の一部は、違法ギャンブルなどで浪費された可能性も指摘されています。

証拠のノートパソコンを「ゴミとして捨てた」隠蔽工作

問題の根深さを示すのが、旧経営陣による徹底した隠蔽工作です。

不正融資の記録が入った重要な証拠となるノートパソコンについて、当初、旧経営陣の一人は「ハンマーで破壊した」と説明していました。

しかし、調査が進むと説明を一転。「(当時の)坪井信浩(つぼい のぶひろ)専務理事に相談し、ごみ袋に入れて可燃ごみとして捨てた」と証言しました。その理由について、「反社への資金提供が表沙汰になることを避けたかった」と釈明したとされています。

さらに、不祥事を公表した翌日(2024年11月16日)には、旧経営陣らが集まり、虚偽の供述を行うことを申し合わせていたことも内部調査で判明。組織ぐるみの隠蔽体質が浮き彫りとなりました。

反社関係者への便宜的な融資(9件・28.5億円)も発覚

資金提供だけでなく、反社会的勢力に対して便宜を図るような「不適切な融資」も実行されていました。

  • 2018年: 資金提供をしていた反社の人物の家族に対し、茨城県内の飲食店テナントビル購入資金などとして3億円を融資。
  • 2019年~2024年: 組合の反社リストに「暴力団幹部」として掲載されている人物からの紹介で、なんと9件・合計約28.5億円もの融資を実行していた。

これらは「妥当性に疑いが残る」融資と厳しく指摘されており、癒着の深刻さを示しています。

不正融資を受けた反社会的勢力はどこ?特定情報は?

これだけの巨額な資金が流れたとなると、その相手は「どこ」なのか、特定の団体名や個人名が気になるところです。

報告書では特定の団体名や個人名は公表されず

今回の特別調査委員会の報告書や、記者会見など公の場では、資金提供の相手について「反社会的勢力と認められる人物」「右翼団体」といった表現に留められています。

具体的な団体名や、中心となっていた人物の氏名(「A氏」「Σ氏」といった記号で呼ばれることはあっても)は、公表されていません。

SNSやネット上では様々な憶測が飛び交っていますが、信頼できる大手メディアや公的機関の発表では、相手が誰なのか特定できる情報は出ていないのが現状です。

資金提供の相手は「違法ギャンブル」等で浪費か

報告書では、資金提供を繰り返し要求した人物の動向についても触れられています。

2016年に江尻氏から1億円を受け取ったにもかかわらず、そのわずか9ヶ月後に再び多額の金銭を要求してきたといいます。

調査委員会は、この人物について「大金を手にしても短期間のうちに違法ギャンブルなどに全て費消してしまう傾向があった」と指摘。反社側の中毒的な金銭要求が、いわき信組の不正をさらに泥沼化させた可能性が考えられます。

旧経営陣トップ・江尻次郎元会長とは何者?学歴・経歴は?

この前代未聞の不祥事を主導したとされるのが、8代目理事長であり元会長の江尻次郎氏です。一体どのような人物なのでしょうか。

江尻次郎氏のwiki風プロフィール

現時点で公開されている情報や検索結果をまとめると、江尻次郎氏の経歴は以下のようになります。

  • 名前: 江尻 次郎(えじり じろう)
  • 役職: いわき信用組合 元理事長(8代目)、元会長
  • 経歴: * 2002年頃: 7代目・四家栄安氏の急逝(2004年との記載も)に伴い、理事長に就任。 * 2004年~2016年: 理事長として在任中、反社へ約10億円の資金提供を主導。 * 2020年: 理事長を退任し、会長に就任。 * 2024年11月: 一連の不祥事の発覚を受け、会長職を引責辞任。
  • 学歴(出身大学・高校): Google検索結果では、江尻氏の学歴に関する確定的な情報は確認できませんでした。

20年間トップに君臨した「絶対的存在」

江尻氏は、2002年(または2004年)から2024年の辞任まで、約20年間にわたり組合のトップに君臨し続けました。

第三者委員会のヒアリングでは、職員から「江尻氏に嫌われると出世できない」「役員報酬も江尻氏が単独で決めていた」といった証言が寄せられており、組合内で絶対的な権力を持っていたことがうかがえます。

この強固なトップダウン体制が、不正の温床となり、誰も異議を唱えられない企業風土を作り上げてしまったと考えられます。

街宣活動に「トラマ」を抱えていた?

一方で、江尻氏がなぜ反社との関係を断ち切れなかったのか、その理由の一端も報じられています。

2000年代、江尻氏の自宅付近では右翼団体による街宣活動がたびたび行われ、近隣住民によると「防犯カメラが何台も設置されるようになった」といいます。

調査委員会の委員長である貞弘賢太郎弁護士は、江尻氏が調査に対し「もっと早く(関係を)切るべきだった」と後悔の言葉を口にし、「自分の家近くで街宣をされ、怖くてトラウマになっていたのだろう」と推察しています。

恐怖心から支払いに応じてしまい、その事実が新たな弱みとなって、さらに要求されるという悪循環に陥っていたようです。

江尻次郎氏の家族構成は?結婚して子供はいる?

これだけの事件の中心人物となると、そのプライベートな側面、例えば結婚して妻や子供がいるのか、といった家族構成も関心を集めます。

家族(妻・子供)に関するプライベートな情報

今回、Google検索で江尻次郎氏の家族(結婚しているか、妻や子供の有無)について調査しましたが、信頼できる情報源(公的な発表や大手メディアの報道)において、同氏の家族構成に関する情報は見つかりませんでした。

自宅に関する証言(街宣活動)はありましたが、家族がどのように関わっていたかなどの詳細は不明です。

江尻次郎氏の実家や生い立ちはどうだったのか

同様に、江尻氏の人格形成に影響を与えた可能性のある、実家や生い立ちに関する情報についても調査しました。

生い立ちや実家に関する情報

江尻氏の実家がお金持ちだったのか、どのような生い立ちを過ごしてきたのかについても、現時点では公表された情報はありません。

これらのプライベートな情報については、事件の核心とは直接関係しないため、報道が控えられている可能性が高いです。

いわき信用組合は今後どうなる?公的資金注入先が潰れる可能性は?

組合員や地域住民にとって最も重要なのは、「いわき信用組合は今後どうなるのか」「預けた預金は大丈夫なのか」という点です。潰れる可能性はあるのでしょうか。

金融庁が2度目の業務改善命令(一部業務停止)

事態を重く見た金融庁は、2025年10月31日、極めて厳しい行政処分を下しました。

これは2025年5月に東北財務局が出した業務改善命令に続く、今年2度目の処分です。今回は「一部業務の停止命令」も含まれており、11月17日から1ヶ月間、新規顧客への融資業務が停止されます。

いわき信用組合は、東日本大震災後の2012年1月に200億円の公的資金が注入されています。国民の税金が投入された金融機関が、反社への資金提供という重大なコンプライアンス違反を犯していたことは、極めて悪質と判断されました。

2025年3月期は27.5億円の大幅赤字

経営状態も深刻です。2025年10月31日に承認された2025年3月期決算では、不正融資に関連する多額の損失処理(与信コストの反映)を行った結果、27億5600万円の当期純損失(赤字)を計上しました。

前期(1.7億円の黒字)から一転して、巨額の赤字に転落しており、財務基盤は大きく傷ついています。

現理事長・金成茂氏の対応と旧経営陣への責任追及

2025年6月に旧経営陣が引責辞任した後、新理事長(10代目)として金成茂(かなり しげる)氏が就任しました。金成氏は、いわき市出身で磐城高校を卒業後、1991年にいわき信用組合に入組した生え抜きの人物です。

金成理事長は2025年10月31日の記者会見で、「深くおわび申し上げます」と謝罪。今後の対応として、以下の3点を「やりきる」と誓いました。

  1. 旧経営陣との決別
  2. 反社会的勢力との関係遮断
  3. 旧経営陣への(民事・刑事両面での)告訴・責任追及

「潰れる」という事態(経営破綻)を避けるため、まずは徹底的な膿出しとコンプライアンス体制の再構築、そして失墜した信用の回復が急務となります。公的資金も入っている手前、金融庁の厳しい監視下で再建が進められることになります。

いわき信用組合の社員の年収はいくら?

こうした状況下で、働く社員・職員の方々はどのような待遇なのでしょうか。いわき信用組合の年収についても調べてみました。

職員の給与・待遇に関する情報

Google検索で確認できた採用情報(2025年度新卒採用)によると、初任給は以下の通りでした。

  • 大学卒: 月給 205,000円
  • 短大・専門学校卒: 月給 185,000円

これに加えて、通勤手当、営業手当、住宅手当、家族手当、時間外手当などが支給されるようです。

転職サイトなどの口コミ情報では、初年度の年収レンジとして240万円~400万円といった例が挙げられていましたが、これはあくまで一例です。今回の不祥事と巨額赤字を受け、今後の賞与(ボーナス)や昇給への影響は避けられない可能性があります。

いわき信用組合の不正融資に対するネット上の反応まとめ

この衝撃的なニュースに対し、ネット上やSNSでは様々な意見や批判が寄せられています。

「公的資金が入っているのに」震災復興への影響を懸念する声

最も多く見られたのが、200億円の公的資金(復興資金)が注入されていたことへの怒りの声です。

「震災復興のための国民の税金をなんだと思っているんだ」

「公的資金が悪用されていたなら全額回収すべき」

「復興の足かせになるような行為は許せない」

といった、資金の使途に対する厳しい批判が相次いでいます。

「令和の時代に信じられない」金融機関の体質への批判

企業が反社排除(暴排)を徹底するのが常識となった現代において、金融機関が反社と癒着していたことへの驚きと批判も多く見られます。

「昭和の事件かと思ったら、令和の今も続いていたとは…」

「金融機関が反社と繋がってるのは言語道断。厳罰に処すべき」

「信組レベルだとチェックが甘いのでは。他の組合も全部調べるべきだ」

「預金は大丈夫か」組合員からの不安の声

地元住民や組合員からは、当然ながら不安の声が上がっています。

「一般人には厳しい審査をするくせに、裏ではこれか」

「長年付き合ってきたのに裏切られた気分。もう信用できない」

「俺の預金は大丈夫なのか?」

総代会に出席した組合員からも「失望もない」と、諦めにも似た突き放すようなコメントが出ており、信頼回復がいかに困難かを物語っています。

まとめ

今回明らかになった、いわき信用組合による一連の不祥事件は、その不正の規模、期間の長さ、そして反社会的勢力との根深い癒着において、前代未聞の事態と言えます。

長年トップに君臨した江尻次郎元会長が、街宣活動への恐怖から反社との関係を断ち切れず、不正融資で資金提供を続けた結果、組合の経営基盤は大きく揺らぎ、地域の信頼は失墜しました。

今後は、金成茂・新理事長のもと、旧経営陣の責任追及と徹底的な反社排除が進められることになりますが、公的資金200億円の行方と合わせて、その再建の道のりは極めて厳しいものとなるでしょう。

今後もこの問題の動向について、注目していきます。

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